読書の記録

No.365 2010.3.15

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マタタビ潔子の猫魂 / 朱野帰子

(メディアファクトリー /2010年発行)

 第4回ダ・ヴィンチ文学賞受賞作。わたしも応募して二次通過で落選してるので、受賞作は気になってたのですが、本屋で漫画家・東村アキコさんのイラストの表紙にずっきゅんきて、読むことにしました。

 憑き物を食らって何百年も生きてきた妖猫メロが主人公。飼い猫の本性も自分の秘められた力も知らずに、要領悪くしょんぼり生きている飼い主潔子。我輩は猫である形式で、猫のメロが物語を語っていく。

 気が弱くて嫌なことをノーと言えず、それなのに相手を恨んでうじうじを悩む、そんな性格の潔子は怒りや恨みが発散されずに体の中に溜まりやすい。その恨みが爆発するとき、猫魂を操って人を恨み殺す田万川家の血筋が発揮され、メロは潔子に取り憑き、憑き物がついた相手をやっつける。

 設定は面白い。うじうじしてて好感持てない潔子もいい感じ。でも、その設定を使って起こりうる最低限の出来事しか起こってないというか。敵が現れて、その敵の嫌なやつっぷりも、取り憑いている生き物も、そのやっつけ方も、何だかこう…普通というか。予想を裏切らなさ過ぎるというか。タイトルから分かってしまうというか。ゆるすぎるというか。

 まあでも、楽しく読めました。少々ものたりないけども。次作にも期待!しかし、ダ・ヴィンチ賞って、連作短編でもいいのね。



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