太陽の庭 / 宮木あや子
(集英社 /2009年発行)
R-18文学賞でデビューした宮木さん。デビュー作の「花宵道中」には、遊女の独特のしきたりや閉鎖された場所でしか生きられない哀しみがつまってたけれど、今回の「太陽の庭」も日本の法律の届かない、人が簡単に生き死にする閉鎖された永代院が舞台で、彼女の持ち味が存分に生かされていた。宮木さんは自分の舞台を作り上げるのがうまい。
永代院は永代由継という経済界や政界に絶大的な影響を及ぼす男の住む屋敷で、警察も手出しできず日本地図にも載っていない。その敷地では、由継の妻となるべく集められた女たちと、由継の血を引く子供達が住んでいる。男の子を生んだ妻たちは自分の子供が跡継ぎになるのを望んで、目に見えない争いをくりひろげ、女の子供達は年頃になると贄として外界に出される。
大奥みたいな?(見てないけど)。でも、そんな世界を現代に作り上げた時点で勝ちという気がする。いい意味で不健全な話。最後の方に外の世界から見た永代院を描く章があり、閉じた世界だけで終わらずに、永代院とは何だったのか、というところまで書いている。永代院というものの解釈を読者に与えてる。よかったのか、悪かったのか。わたし的には、よかったかな。閉じた世界だけでうっとり終わってもよかったけれど。
集英社のWEB文芸誌RENZABUROに連載されていた話。宮木さん、連載たくさん持ってるからしょうがないんだけども、連作短編集じゃなくて書き下ろしの長編を読んでみたいです。
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