読書の記録

No.359 2010.3.6

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紙婚式 / 山本文緒

(角川文庫 /平成13年発行)

 単行本は1998年に徳間書店から刊行。夫婦をテーマに描いた短編集。

 幸せで平穏に見える結婚生活。でも、当たり前のように一緒に暮らしている配偶者が、本当は何を考えているか、分からない。夫婦をテーマにしているのだけど、お互いが衝突してずれていくのではなく、片方が気づいていないうちに、もう片方は取り返しのつかないほど心が離れていた、という夫婦を描いている。幸せだと思い込んでいる主人公の視点から語られる結婚生活が、最後にがらりと豹変する。ホラーのような短編集。

 ぞっとするくらい、人間が嫌になるくらい書く。ああこれが山本文緒さんだったな、と思い出す。覚悟がある、という感じがする。救いがない話でも、そのあと傷つきながらもう一度立ち上がる主人公を想像させるから、読んでしまうのだと思う。



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