読書の記録

No.348 2010.2.13

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四畳半神話大系 / 森見登美彦

(太田出版 /2005年発行)

「夜は短し歩けよ乙女」で大ヒットする前の森見作品。これぞモリミー、という感じで四畳半暮らしの堕落した貧乏な男子大学生の駄目生活が描かれている。落語みたいな独特の語り口調がぴたっとはまったクリーンヒット作、だと思う。面白かった。

 主人公は選んだサークルのせいで人生が狂って無為な大学生活を送ってしまった、と後悔している。どんな生活を送ってきたのか、ということがユーモラスな口調と愛すべきキャラクターで語られる。連作短編なのだけど、次の短編の出だしも最初の短編の出だしと同じ文章で、なんだよ手抜きかよ!と思っていたら、どうやら選ぶサークルがちょっと違う。登場人物の役回りも少しずつ違う。後悔のもとになったサークル選びの瞬間に戻ってもう一度同じ時間が語られる。

 面白い試み。その試み自体にメッセージがこめられてて、満足な読後感でした。人生何を選んでも大体同じような結末になるけど、それも別に悪くないじゃん、気楽に行こうぜ、みたいなね。お見事。

 今度、春からアニメ化されるらしいですね。

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