いやしい鳥 / 藤野可織
(文藝春秋 /2008年発行)
表題作は第103回文学界新人賞の受賞作。妻に逃げられた冴えない大学講師が主人公。学生達と一緒に飲みに行った彼は、泥酔した男子学生を放っておけず自分の家に連れ帰ってやるが、朝起きると飼っていたオカメインコが学生に食われており、インコを食った学生は体の中から羽根が生えてきて、巨大インコに変身してしまう。
あらすじだけ書くと、一体これはギャグなのかホラーなのかよく分からないんだけども。でも読んでいると文章の迫力に飲まれてしまう。なんじゃこりゃ、と思う暇もない。大学講師の家を逐一覗き見して夫に報告する隣家の主婦の視点も加わり、ただの妄想話ではない奇妙で生々しい世界観がある。
何でこんな話を書いたんだろう!そこがすごいと思った。そして書ききってるのもよかった。他2編収録作品は、書ききっていないというか、少し物足りなかった。別の作品で第141回芥川賞候補にもなっています。今後が楽しみな作家さん。
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