読書の記録

No.336 2010.1.11

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窓際の死神(アンクー) / 柴田よしき

(双葉社 /2004年発行)

 ツイッターで見かけた作家さんで、どんな話を書くのだろうと初めて読んでみましたが、これかなり面白かったです。次に何が起こるのか、はらはらして読むのをやめられないし、さらに登場人物の葛藤や悩みが等身大で共感できてしまう。作品全体に流れる死生観も現実的でかつ、あたたかい。

 失恋して少しでもきれいになろうとダイエットをしている多美。嫉妬のあまり、好きだった人の恋人が死ねばいいと無意識に願うようになってしまい、彼女が死ぬシーンが頭から離れなくなる。自分がおかしくなったんじゃないかと悩んでいるときに、窓際族で冴えない上司の島野が声をかけてくる。

 絵本の寓話をちょっとした小道具に使っている演出もなかなか面白い。主人公の感情の流れも納得できるし、死神と名乗る島野のキャラクターも魅力的。とても面白い本でした。

 この作家さん、女性なのですが、いい意味で女性らしい柔軟な物語です。

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