読書の記録

No.327 2009.11.10

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好き好き大好き超愛してる。 / 舞城王太郎

(講談社 /2004年発行)

 インパクトのあるタイトルですよねえ。癌(もしくは得体の知れない虫)で恋人が死んでいくのを見守る僕の話と、頭にドライバーを刺されたせいで、他の世界にチャンネルをあわすことができて、そこでは世界を救うヒーローとなる男の話の、2つの作品が収録されている。

 舞城作品は何冊か読んでるんだけど、結論としては、すごいけどいけ好かないなあ、です。さらに「煙か土か食い物」はミステリ仕立ての一貫した話になってたけど、今回はやりっぱなし。放りっぱなし。妄想メモみたいな。これって小説なんかなあ。でも、疾走感溢れる文章は読んでて楽しい。音楽のように流れる文章を楽しめばいいのかもしれない。が、それなら音楽でいいなあ。

 暴力や死やエロスは普段の生活で表に出ないだけに、書いてしまえばセンセーショナルになる。本当はこんなことしちゃ駄目なんだけど、という行動を敢えてネジが外れたように書けば、それなりに惹きつけられるし面白い。でも何だかずるいんだよなあ。大きな音出されたから否応なく注目してしまったみたいな、ずるさ。そこに作者が新たなものを付け加えてるならいいけれど、やりっぱなしなもんだから注目した甲斐がない。相変わらず主人公は万能。舞城さんが暴力と死とエロス面白いものを書いたなら、読んでみたい。

 まあ、好きな人は好きなんだろうな。それは分かる。


amazon↓(文庫よりこっちの装丁が好き。)


文庫も出てます


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