すべてがFになる / 森博嗣
(講談社 /1996年発行)
森博嗣のデビュー作。これを読んでおかないとね。
一人の才女によって管理されている離島の研究所。女はかつて自分の両親を殺したが、心神喪失状態ということで罪には問われなかった。その後は人と会わずに研究所の地下にこもり、電子通信で研究員たちに指示を出し、最新のプログラムを生み出して、天才として君臨しつづける。が、ある日、彼女は殺される。離島の密室の部屋で、一体どうやって?
外部からキャンプにやってきた大学の助教犀川と、その教え子萌絵が軽妙な会話を交わしながら、謎を解いていくミステリー。
続きが気になってどんどん読んでいった。確かに面白い。でも読みながら、わたしには合わないなあと思った。どうやって殺人が実行されたかという謎を解くことよりも、わたしは人物の動機に興味がいってしまう。なぜそんなことをしたのか、それが天才は常人と違うからの一言で片付けられたのが不満だった。面白かったけれど、わたしの中には残らなかった。逆に、人物の葛藤より、謎を解くことに興味がある人は、何も事件が起こらない(起こっても中途半端な)いわゆる純文学というやつに、不満を抱くのだろうなあと思った。小説の楽しみ方って本当にそれぞれですね。
でも、このボリュームで、この値段(1050円)はお得な感じ。わたしのも同じ値段で売られるのだなあと思うと、胃がきりきりしますな。これからも頑張ります!から!ね!いろいろ。先物買いな感じでよろしくお願いします。
それにしても、デビューした1996年の時点ではコンピューターってまだまだ発展途上で、今では普通なあれこれも、当時は衝撃的な描写だったんだろうな。今読んでもそれらの技術が全然「間違っていない」のはすごい。でもやっぱり、そういうものを扱うと、古びてしまうのは、しょうがないことなんだろうな。もっとぶっとんだSFならまだしもね。追いかけてくる現実は結構俊足なのだよねえ、などと思う今日この頃。
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