読書の記録

No.314 2009.8.27

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泣く大人 / 江國香織

(世界文化社 /2001年発行)

 最近は、江國さんのエッセイにはまっている。魅力的な作家って多かれ少なかれ毒を書いていて、その毒の種類がいろいろあるわけなんだけども、江國さんは女としてのずるさ、媚び、甘えのようなものの毒を書くのがうまい。

 わたしの中にもある一番向き合いたくない女の部分。それを、ああこの人はこんなに書いちゃうんだ!と驚きながら、どきどきしてしまって、読みすすめてしまう。その毒に触れたい。自分じゃ言えないけどそうそう、そうなんだよね、みたいな。ひそやかな内緒話をしているような、そんな読む楽しみ。

 一時期、江國さんの小説を避けていたことがあって、でもまたこうやって戻ってきた。たぶん、性質が似ているのだと思う。避けていたのは同族嫌悪。再び戻ってきたのは、自分の嫌なところを面白がれるようになったからなのかもしれない。

 1996年〜2001年の間に、いろいろな雑誌に書いた短いエッセイを集めたエッセイ集。まとまりはないけれど、寝る前やちょっとしたひとときに、一つずつ読むのが楽しかった。

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