読書の記録

No.303 2009.4.25

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ぼくは落ち着きがない
 /長嶋有

(光文社 /2008年発行)

 高校の図書部を舞台にした、まったりな小説。ああ、こんな人いたいたというキャラが登場したり、突然学校に来なくなる友人がいたり、ささやかだけどリアルな日常を描いていて面白かった…が、非常に物足りないのでした。読んでる間は楽しかったんだけどなあ。

 長嶋有の小説の雰囲気はすごく好きなんだけど、踏み込めないというか独特の物足りなさがある。これは何て表現したらいいんだろう…って考えて思いつきました。

 野球シーンのないあだち充って感じ。あだち充の漫画、結構好きなんですけどね、野球とか水泳とか忍者とか、そういう核になる熱い話があってこそのあの軽い会話じゃないですか。その核がない、あだち充。

 うーん、それだけでも十分読んでる間は楽しめるんですけどね。人間も魅力的だし。ただ、何も起こらないので、読むのをいつでもやめることができるというか。途中で図書館に返しちゃった作品もいくつかあるのでした。

 この作者は男性なんだけど、女性語りが多い。この本も「ぼくは落ち着きがない」というタイトルなのに主人公は女の子で、このタイトルの意味がよく分からないんだけども、それはさておき、女性語りはうまいし不自然ってわけじゃないんだけど、踏み込めてなさというか物足りなさを感じてしまう。長嶋有の作品の中でも「ジャージの二人」は面白かったです。珍しく男性が語りだったからなあ。





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