読書の記録

No.299 2009.3.15

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東京タワー
 /江国香織

(マガジンハウス /2001年発行)

 20歳の男の子二人がそれぞれ年上の人妻と恋愛する話。三人称だけど男の子の視点に寄り添って書いている。心地よい恋愛小説だと思った。甘すぎず、汚すぎず。江国さんの書く人物はいつも魅力的だ。久々に読んだ彼女の新作(というほど、新しくもないけれど)。面白くて一気に読んだ。

 女性視点だと見えすぎるナルシスティックさが、男視点だから適度に中和されてよかったのかな。でもその分、毒が薄かった感じ。

 わたしも去年、20歳の男の子を主人公にして恋愛小説を書いたので、いろいろ引き比べてしまった。ストーリーや設定が似ているとしても、本当に物語の本質に迫ることができていれば同じテーマを扱っても、作家の個性が出るはずなんだけど。わたしはまだまだだなあと思った。この「東京タワー」があるからいらないじゃん、って言われないように頑張らなくちゃ…と思いながら読了。

 あ、映画になったんだ。詩史さんが黒木瞳かあ。ちょっと違うなあ、イメージが。


新潮文庫↓


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