いくつもの週末 /江国香織
(集英社文庫 /2001年発行)
江国香織も十代の頃読み漁ってた女性作家の一人です。でも大学に入ってからは遠のいて、あるときふと手に取った彼女の詩集のナルシスティックな子供っぽい甘さに辟易して、もう読まなくなっていたのだけれど、このエッセイ集を読んで、もう一度小説を読んでみようかなという気になった。
夫婦の何気ない日々をつづったエッセイ集。夫婦のことを、しかもまだキャリアの浅い夫婦のことを語るのは難しいだろうなあと思う。わたしも普段どんな様子なのかと問われても、うまく人に説明できない。端から見たら馬鹿馬鹿しいことで喧嘩したり、毎日のように、もう離婚してやる、いや、やっぱり大好きだっていう間をくるくる回転していたり。激しく落ちたり上がったりしているその平均を取れば、平穏な仲のいい夫婦に見える。だから個々のエピソードや感情を取り出して話せば、はらはらされるくらいひどい話だったりするから、言えない。
でもこのエッセイ集には、それが全部詰まっていた。相手に甘えてるからこそのわがままや自分勝手な論理も、相手の分かってくれなさに一人落ち込んだり諦めたりする様子も、やっぱりこの人しかいないと些細なことで納得してしまう瞬間も、全部文字になって、静かに静かに佇んでいる。
うーん、恐いなあ、この人はと思った。わたしが読まなくなって以来、どんな物語を書いてきたのか気になりだした。また読んでみようと思った。
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