佳人の奇遇 /島田雅彦
(講談社 /2007年発行)
島田雅彦は男前の小説家だなーと思ってチェックしまくってたのだけど、実はあまり小説を読んだことなかったことに気づいた2009年。「僕は模造人間」は面白かった記憶があるので、他のも読んでみようと手に取ってみました。
クラシックの殿堂サントリーホールで上演されるオペラ「ドン・ジョバンニ」をめぐって、関係あるような関係ないような人たちの複数の人生が交錯する小説。三人称の語り口。鮮やかにスマートに場面は次々切り替わり、複数の登場人物の物語が並行して進められていく。
ある物語は「ドン・ジョバンニ」に出る本番に弱いオペラ歌手、別の物語はその指揮者であったり。また誰か分からない手紙の主に会うためにオペラを見に来た冴えない大学講師であったり、息子の嫁に恋してしまった男だったり。
佳人というのは美しい女の人という意味らしい。次々と女を食って女の人生を狂わせていく「ドン・ジョバンニ」とは逆に、この物語では、美しく聡明な女性が最後には男も自分もハッピーになる結末に導いていく。
複数の物語が交錯するのに混乱しなくて読みやすい。読んだ後、ちょっと嬉しくなる話。そんなにとんとん拍子にうまくいくか、とも思うけど、たまにはこんなことだってあってもいいんじゃない?
島田雅彦、また読んでみようと思った。
|
|