論理と感性は相反しない /山崎ナオコーラ
(講談社 /2008年発行)
「人のセックスを笑うな」で文藝賞受賞してデビュー。そのときの受賞者の言葉に志の高さと溢れる意欲と野心を感じて、おお!と思って注目してた作者なのですが。何だかね。最近エッセイとか文学界の対談とかいろいろ見てると、意欲と野心と志はすごいんだが、少し空回りしてる感じがしました。うーん、作品や実力が伴ってないというよりは、無防備に言い過ぎるという感じかな。賞獲りたいとか。あとは、やってる作風と目指してる理想に何だかぶれを感じるというか。文学をやるとか言ってるけど、作品は文学かなあ…という感じだし。でも、これはこれで作風として面白いし個性的な作家さんだと思う。もう少し肩の力抜いて、みんなが読んでくれたらそれでいいですよ〜、文学?は?くらいな感じでやるといい感じのとこへいけると思うんだけどなあ。人気も出ると思うんだけどなあ。全然本の感想じゃないし。だって、この本のあとがき読んで、本当に心配になったんだもの…!
短い掌編小説を集めた書き下ろし短編集。同じ登場人物が登場してて、短編集といえどもちょっとしたオムニバス映画を見たような、共通した世界観がある。寝る前にちょこっと読む、という感じで楽しめました。でも、深みとかひりひりする感じとかないんだよな。心に入ってこない。テレビを眺める感じ。退屈はさせない。
それにしてもどうしたんだこのあとがき。レストランのかっこいいウェイターと会話をした話をして、結婚してないから脈有りで恋は自分から動かないと始まらないとか。自分の出身大学は世間的には頭がいいとは思われないが、実のところは私は頭が良く、会話していると言われるらしい。「頭良いね」。ぬあー!ど、どうしたんだ!コバルト文庫のあとがきでもこんなんないよ。個人のブログでもこんな無防備なこと書かないよ。かっこしてエクスキューズして言い訳して自虐なつもりなんだろうけど、なってない!なってない!
困ったなあ。まあ作者が困った人でも作品が面白ければそれでいいんだけど、今回の短編の中の矢野マユミズという新人作家(水が好きだからペンネームがマユミズらしい。ちなみにナオコーラさんはコーラが好きだからナオコーラ)が出てくるやつは、その困った感が滲み出ていて、やっぱり読んでて困った。はあ。
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