読書の記録

No.267 2008.3.21

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十四歳のエンゲージ /谷村志穂

(東京書籍 /1991年発行)

 少女のとき夢中で読み漁って今は疎遠になってる作家の名前を見ると懐かしいという気持ちが沸き起こります。懐かしいって、こっちが勝手に疎遠になってるだけで作家さんは引き続き活躍されているのにね。久々に谷村志穂さんを読みました。

 1962年生まれの彼女が書く「十四歳」。北海道が舞台。ヤンキーが主役。今の人が読んだらどう思うんだろう。わたしの中学校時代はヤンキー全盛時代だったから違和感がないというか、懐かしい感じがするんだけど。ジャンプもマガジンもサンデーも主人公はヤンキーばっかりだったよ。ヤンキーと言う言葉も書いていてものすごく懐かしい。

 普通のいい家庭に育って羽目を外せないことに劣等感を抱き続けながら、奔放に自分たちのルールで生きる少年少女たちと一緒に行動する主人公。仲間になりたくてなれない、熱くなりたいけど一線を引いてしまう、壊れたいのに特別扱いされて守られてしまう、女になりたいけどなりたくない。そういう繊細な葛藤が書かれていました。そういう心情を拾い上げるのがうまい作者さんだと思う。うまい。先鋭な少女独自の世界観がよく出てたと思う。面白かったです。

文庫


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