読書の記録

No.257 2008.1.26

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腑抜けども悲しみの愛を見せろ /本谷有希子

(講談社 /2005年発行)

 映画になりましたね、これ。ぷっつんお姉ちゃん役を佐藤江梨子熱演。サイト

 ええ、この予告編みたいな話です。(手を抜くなって…)

 顔は綺麗だが思い込みが激しく自分が特別だと疑わない姉。その姉を「ネタ」として愛し観察し、誰かに伝えたいという思いを抑えきれなくて漫画に描いてしまう妹。家族をどうにかまとめようと切ない努力をする腹違いの兄。今まで人に愛されたことなくどこかずれたまま大人になったけれどしたたかで優しい兄の嫁。彼らがくんずほずれつ織り成すドラマ。目が離せません。ちょっと怖いけど。

「高校卒業して上京、劇団本谷有希子を旗揚げ」という経歴に惹かれて以来彼女のファンです。演劇は見たことないけど。これは彼女の第一回公演の内容を大幅に改稿して小説にして「群像」発表した作品だそうです。三人称なんだけど視点の位置が定まらず読みにくいなあと思ったのは最初だけで、あとは内容にぐんぐん引き込まれて読んでしまった。まあ、いつものとおりあまり幸せじゃない話だし、あっさり人が死んだりするんだけども、でもこの鬼気迫る切実さってのはこの人しか書けないと思う。面白かった。

 単行本の表紙は山本直樹。なんかもうこのまま漫画にして欲しいくらいぴったりあった絵だ。あとタイトルいいなあ。かっこいいなあ。

 ところで、映画の予告編見て「永作さんいい!それだ!」と思いました。不幸で鈍感な優しい兄嫁役はそれ!それ!と。そしたら助演女優賞取られたそうで。この記事読んでそのとおりだと思いました。読解力がある女優さんなんだな。きっと「人のセックスを笑うな」の女教師役も素敵に演じているんだろうなあ。


文庫も出てるけど単行本のこの表紙の方が好き


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