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物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室 /G・ガルシア=マルケス (岩波書店 /2002年発行) シナリオ教室といっても、ガルシア=マルケスが講義形式でシナリオとは…と論じてるわけじゃない。彼が主催するシナリオ教室でのグループワークでの会話を紙面録音した一冊。数人の若手のプロ脚本家たちがそれぞれ持ち寄った一本のシナリオ、または物語の種を、ガルシア=マルケスや他の脚本家たちみんなでわいわい言いながら30分のテレビドラマに仕上げていく。ガルシア=マルケスの思わぬ一言で物語はコメディになったりシュールになったりする。また、持ってきた物語を殺さないようにみんなで知恵を絞る様子が本当に面白い。物語ってこうやって出来ていくのだと手の内を知る気分だ。小説を書く人間、シナリオや映画をやる人間には、面白くてためになる本だと思う。小説を書くという作業は一人で思いつめがちだけど、こんなふうに別の角度から物語をいじったり、別の状況に投げ込んでみたり、考え方を変えてみたりなんてことをしてみるべきだと思った。ただの読み手として読んだら、冗長な部分もあるかな。会話の収録だからしょうがないよね。 ところどころに垣間見えるガルシア=マルケスの物語に対する考え方や、脚本や小説を書くときに関するエピソードが示唆に富んでいて面白い。臨場感溢れる本で、まるでガルシア・マルケスのワークショップに参加して一緒に論議してるような気持ちになれる。こういう本って貴重で素敵だな。小説だけじゃなくて、生の声を収録した本。うーん、ガルシア=マルケスに会ってみたいよ。最後の章は、話題になってる作品を見ていないのであまり分からなかったのですが…ね。 またしばらくしたら読み直したい本。きっと読むたびに違う発見があるんだろう。 |