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ルート350 /古川日出男 (講談社 /2006年発行) 短編集。若者の一人語り形式で話が進んでいくので、文章は(たぶん、わざと)癖があって自意識過剰でナルシスティックで気障ったらしい。でも、奇抜な設定と魅力ある物語に引きつけられて最初は目についてた文章が気にならなくなり、途中からはその癖のある文章が快感になってくる。 日常からわずかしか逸脱していない話なのに、壮大な冒険小説になっていて、読んでいてわくわくする。しかも、奇抜な設定だけで力尽きることなく最後まで読ませて満足させてくれる。短編でこれだけの世界観を作ってしまうなんてすごい。しかも登場人物がとても真摯で魅力的。面白かった。 各短編のタイトルも面白い。好き嫌いはあるかもしれないけれど。 「お前のことは忘れてないよバッハ」 「ストーリーライター、ストーリーダンサー、ストーリーファイター」 「物語卵」 「一九九一年、埋立地がお台場になる前」etc.. |