読書の記録

No.225 2007.4.11

←back 


文学なんかこわくない /高橋源一郎

(朝日新聞社 /1998年発行)



 高橋源一郎さんの文学評には愛があるよね。文学、小説への愛が。タイトルから受けた印象は、有名な文学作品を取り上げて解体して分かりやすく説明してくれるのかと思ったけれど、そうじゃなくて、世の中のヒットした俗現象を取り上げてそれを文学という視点から論じていくものだった。オウム真理教。日記。アダルトヴィデオ。教科書が教えない歴史。失楽園。高橋源一郎自身の文学観や言葉への真摯な姿勢がたっぷり楽しめつつ、しかも笑える。なかなか良い本でした。

 ただ前へ前へと生きていくだけなら猫でも出来ることで、人間の特徴は過去を振り返り立ち止まり反芻し「生き直す」ことであり、小説を読むことは「生き直す」ことなのだという主張がかっこよかったなー。これからは小説家が声を大にして小説のメリットを説いていかなきゃね。商売上がったりだもん。




amazon (文庫)


 ←back    menu