読書の記録

No.223 2007.4.10

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羽の音 /大島真寿美

(理論社 /2001年発行)



 文学界新人賞受賞してデビューした人。

 親が離婚し、姉と二人で広い家に住む「私」。社会人の姉が家事一切を引き受け、私は高校に通っていたのに、ある日突然、真面目だった姉が会社をさぼってずっと家に引きこもるようになる。私も学校を休み続ける。二人でゲームをしたりだらだらと過ごす日々が続く。姉の会社の同僚で婚約者の北山さん、私の同級生で自殺未遂のために精神科に入院しているミキオ。姉妹と幼馴染のように育ったのにある日突然いなくなった透樹。それらの人物がゆるく絡み二人にじわじわと影響を及ぼしていく。

 各章は12/1という日付で始まり一日ずつ進み、12/31で終わる。日記のようで創作のようでどちらでもない、というぎりぎりのところに踏みとどまったのが魅力だと思った。ただの日記のように無防備で放ったらかしの生の物語の元があるだけだと安心して楽しめないし、文学然としたまとめ方や仕掛けや技巧に満ちた創作丸出しの物語だとこの微妙なゆるさは描けない。悲観することもなくナルシシズムにおぼれることもなく、淡々と現実を受け止める主人公に好感が持てた。




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