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ラス・マンチャス通信 /平山瑞穂 (新潮社 /2004年発行) 第16回日本ファンタジー大賞受賞作。ファンタジー大賞受賞作といえば、森見登美彦「太陽の塔」だけ読んだことがあって、どこがファンタジーなんだろ…みたいな思いを抱いたことがありました。他にも時代小説っぽいものが受賞してたりと、この賞は何だか不思議な賞ですよ。 この「ラス・マンチャス通信」も、幻想世界そのものではなく、現実世界にところどころ幻想世界が挿入されてミックスされてる感じでした。結構好きな作風。主人公も出てくる登場人物も挿入された幻想の光景も魅力的だった。でも、物語の骨組みみたいなのは弱くて、とりとめのない感じがした。一体あれは何だったんだろうとか、どこかのホラー話に出てきそうなエピソードだなあとか。表紙がアニメ絵なので、身構えてしまったけれど、それほどとっつきにくくなくすんなりと入れた。 どんな話かと言われたら説明しにくい。個々のエピソードを楽しむ話かな。森の中に住む陸魚。それを捕まえてもてあそぶアレ。アレの存在に迷惑しながら見てみぬふりをする僕の家族。僕はアレをついに殺してしまい、そのせいで施設に入れられる。施設から出た僕はレストランで働き始め、そこでも客を殴ってしまい、遠い町の配水管掃除の職を紹介されその町で働くことになる。 主人公の僕は善良で純粋なキャラクターだけれど、彼を取り巻く世界は程よく悪意に満ちていて、それが物語を引き締めている。 この作者の他の作品も読んでみたいと思った。 |