読書の記録

No.191 2006.10.22

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天国はまだ遠く /瀬尾まいこ

(新潮社 /2004年発行)


 2001年の坊ちゃん文学賞でデビューした人。坊ちゃん文学賞という松山市主催の地方文学賞出身なのに注目されている作家なので要チェック!と思って読んでみました。本当は「幸福な食卓」を読んでみようと思ったんだけど、図書館になかったので。

 小説新潮に掲載ということで、小説新潮らしいゆるい一冊…って失礼か!? 物語としての力よりも、ぽつんぽつんと並べられた言葉の雰囲気を楽しむ系。何をやってもうまくいかない23歳の主人公は、死ぬつもりで貯金を全部下ろしてなるべく遠くの町へ出かけ、田舎の小さな民宿で睡眠薬自殺を図るが、ちゃんと目覚めてしまい、自殺に失敗する。田村というもさい格好をした30代の男が民宿の主人で、仲良くなるようなならないようなつかず離れずの関係を続けながら、スローライフを楽しみ、まあその中で主人公に変化があったようで、元の場所に戻ることを決める。みたいな話。

 文章にも会話にも特にいいなあと思えるところがないのが、川上弘美との違いで、人物が平坦で魅力がないなあってのが角田光代との違い、という印象。なんかね、素人さんの日記みたい。友達の話を聞いてるみたい。へえそうなんだ、よかったねみたいな。大いに物足りなかったな。でも嫌いな雰囲気じゃなかったので次の作品を期待して読もう。




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