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OUT /桐野夏生 (講談社 /1997年発行) 映画にもなったしドラマにもなったあれですよ。いやあ、面白かったなあ。面白かったです。 この話の詳しい内容を知る前に、ふと友達から、昔コンビニの弁当を作る工場でバイトしたら夜勤に主婦の人がいっぱいいてびっくりしたよーという話を聞いて、へええ、主婦が夜勤!しかも弁当工場!大変だ…!知らない世界だ…!とか思ってたら、この作品の舞台がまさにそれでした。うわ、伏線だったのかよ。 それぞれに生活が苦しくなった事情を抱え、少しでも時給がいい弁当工場の夜勤に勤める主婦四人。彼女らはそれなりの連帯意識でチームを組み、仕事を協力し合って進めている仲間。その中の一人が夫を殺してしまい、夫の死体の処理に他の主婦たちも関わることになる。 桐野夏生の小説の面白さは、いくつもの人生を覗き見る面白さだと思う。数人の登場人物それぞれの立場から一つの出来事を描くので、登場人物の個性や境遇の違いが際立つ。憎まれ役と共感役というのがはっきりと決まってて、憎まれ役はざまあみろな結末になったりして、そのへんもエンターテイナーとしてうまいなあと思う。 いやしかし、どうしてこんなにたくさんの人生が書けるのだろう。弁当工場の作業の描写とか、うまく効率よく疲れずに作業するコツの話だとか、本当に経験した人のようで、それを読むだけでも面白かった。取材して書くのかなあ。 細部まで真剣に全力投球で書きました感がします。本当、いい仕事してらっしゃるなあ。 |