|
ハミザベス /栗田有起 (集英社 /2003年発行) 第26回すばる文学賞受賞作「ハミザベス」と、書き下ろし「豆姉妹」を収録。「オテル モル」が気に入ったので読んでみました。 …声を大にして言いたい。ゆるい!!会話とか人物とかは好きな雰囲気だから、すいすい読めるんだけども。ときどき出てくる不思議な設定が全然出しっぱなしで終わってる。それじゃあただの不思議ちゃんじゃん。のれないじゃん! そこがかわいいんだよと言える人だけ読める作品でした。まあデビュー作だからなあ。集英社の編集者はゆるさに大しては許容力がある気がする。センスとか雰囲気がよければ、物語としてのゆるさは許そうみたいな。しゃれじゃないよ。 知らない女性から電話がかかってきて、今までもうとっくに死んでいないと思っていた父親が先日死んだので遺産を相続してほしいと言われた主人公は、父と暮らしていたという女性に会いに行き、マンションの部屋とハムスターをもらう。ハムスターにはハミザベスという名前をつける。…ハミザベスってハムスターの名前かよ…!!!!!! と、ここまで読んだわたしは心の中で叫びました。もったいぶったタイトルつけやがって!しかもこのハムスター、あまり物語に関係ないしなあ。 んで、今までお父さんはもう死んだって言ってたじゃない、お母さんどういうこと? と問い詰めたら、父は金玉が畳一畳くらいあって巨大な精子を作る一族の生まれなんだそうで。で、普通の人間である母とは子を作れなくて、で、母に頼んで別の男とやってきてできた子を二人の子にしようって言ったのに、いざそうしたらヤキモチ妬いて別れた、らしい。まあそのへんのくだりのよくある話だなあっていうのはおいといても、畳いちじょうぶんの金玉!!!が、出しっぱなしなのがなんとも。そんなもの出しっぱなしたら邪魔でしょ!なにせ畳一畳分だよ!!!!出したからにはどうにかして欲しかったなあ。なんでそんな金玉な父なのさ、みたいなさあ。 まあそのへんを「ま、いっか」と温かい目で見てあげると面白く読めます。すばる文学賞は、完成度よりセンスだなあと思いました。 |