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リアルワールド /桐野夏生 (集英社 /2003年発行) さすがにこの人の作品を読んだことありませんじゃ困るだろう、ということで読んでみました。合わないだろうなあと思って期待せずに読み始めたのに面白かった。一人語りの文章だから、文章がうまいのか下手なのかはよく分からないんだけども、次に何が起こるのかわくわくしながら最後まで面白く読みました。 十四子の隣家に住む冴えない男子高校生、通称ミミズが母親をバッドで殴り殺して逃走する。十四子と彼女の友人の三人はそれぞれのやり方でミミズの逃走に関わっていく。四人の仲よし女子高生グループと、ミミズ、それぞれが一つの章まるまる担当して一人称で語っていく。四人がお互いをどう思っているのかというところも面白いし、バッドで母親を殴り殺した少年自身の思いも綴られていくところが面白い。自分が同性愛者であることの悩み、娘と母親の確執、普段はいい子の仮面を被っていて実は男遊びをしている二面性、などなど、ああエンターテイメントだなあーという要素がちりばめられているんだけど、ただの飾りではなくそれぞれそれなりに的を得ていて面白かった。 他の作品を読んだことはないけれど、残酷な現実の事件から目を逸らさず、自分のものとして受け止めて物語をつむぐことができる作者なんだなと思った。他の作品も読んでみたい。「小説すばる」に連載されていたそうだけど、これは売上に貢献してそう。いいなあ、こんなふうにみんながわくわくするような小説を書きたいなあ。 |