読書の記録

No.182 2006.8.22

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愛の島 /望月あんね

(講談社 /2006年発行)


 去年の群像新人賞で優秀賞取った人。ああ、群像に次の作品載ってらー、はええー、とか思ってたら、単行本を見つけてびっくりしました。はやーい! 優秀賞だけど編集者の中で惚れこんだ人がいるのかな。ちなみに大賞?獲った袋男君は次作はまだなのかな。

 孤児院で育った私とカッチと千夏の三人の女の子は、同じ部屋で寝起きし、何も言わなくても通じ合う、強い絆で結ばれた同志。ある日、不動産屋で偶然目にした無人島8500万円という物件を欲しいと強く思ってしまう。80円のクリームパンを分け合ってお祝いをするくらい貧乏だった三人は、無人島のために金稼ぎを始める。風俗やら、保険金詐欺やら、男を騙したりやら。

 結構面白い。この三人の強固に繋がってるっぷりが切なくて痛々しくてよい。主人公を見守り愛してくれる男が現れるのに、結局幸せを手に入れることができない。やっちゃった感もよく出てて、突き抜けてて、ああラストはこうなるしかなかったんだよなあと悲しいながらも納得した。いいじゃん。面白いじゃん。優秀作より面白いじゃん。いや、優秀賞取った「グルメな女と優しい男」は途中までしか読んでないけどね。

 でも本を置いてしばらくして、ふと頭をよぎった。あれ、すごい漫画的じゃね? この作品。人の死にっぷりとか、極悪非道なことをする潔さとか、ラストの微妙に現実感が乏しい救いのなさっぷりとか。ちょうど、岡崎京子っぽいなあ。別にぱくりとかそういうわけじゃないんだけど、そういう面に感心して損した。小説には小説の責任の取り方があるのに、それを果たしてない感じがしました。
 
 ま、いいんじゃないでしょうか。面白かったです。次作も読みたいです。




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