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オテル モル /栗田有起 (集英社 /2005年発行) 第26回すばる文学賞でデビューした人。落ち着いた文章と少し不思議な設定、にやりとさせられてしまう静かなユーモアがかなり好みだった作者。他の作品も読んでみよう。 主人公は入院している双子の妹の代わりに彼の夫と娘と三人暮らしをしている。職を探していて、オテルモルという不思議なホテルの職に採用される。このホテルは地下にあり、会員制。上質な睡眠を提供する。太陽のありがたみを噛み締めるために、日が落ちてからチェックインし、日が昇る前にチェックアウトする。不眠や悪夢で苦しんでいる人もここで寝ると不思議な夢やすっきりとした目覚めが体感できる。 芥川賞候補になったけど、受賞せず。賞の行方を予想する「メッタ斬り」では、この作品評価低いなあ。 確かに設定的に大丈夫? というところもいくつかあるんだけどね。わたしは少々の穴があっても夢のある法螺吹きの方が好き。設定の矛盾があったら世界に入れない人にはお勧めできないかもしれない。次はどうなるんだろうって楽しみにページをめくっていって、最後まで読んで、あー面白かった!と思えた。主人公のキャラクターも大人しすぎず、うるさすぎず、ちょうどよかった。好きな感じでした。 で、オテルってのは仏語読みなのかな。 |