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東京ゲスト・ハウス /角田光代 (河出書房新社 /1999年発行) 角田さんの初期作品…と言っても海燕新人賞を取ってデビューしてから9年目の作品か。もうベテランだよね。最近の角田さんの作品と比べたら圧倒的につたなく、小説も型にはまった感じでカタルシスが感じられず、小説家を目指すわたしとしては何だかほっとしてしまう一冊でした。ああ、角田さんは今は押しも押されぬ人気作家だけど、こんな時代もあったんだなあ。努力して書きつづけて今のあれがあるんだなあ。という感じで。 表紙のおにいちゃんがウクレレ持ってたから、惹かれて手に取ったけど、ウクレレ関係ないし! 今の自分から逃げ出したくて突然旅に出て、半年後戻ってきた主人公。恋人のマリコには新しい彼氏が出来ており電話をかけても不当に冷たい。旅先で知り合った女の子、暮林さんは、亡くなったおばあちゃんの夢、旅館をすることを実現すべく、広い家を一部屋300円で貸すという。主人公の「ぼく」は、金もないしそこにお世話になる。その家には「ぼく」と同じように暮林さんが旅先で知り合った人たちがやってくる。旅の雰囲気を持ち込んだ雑多な感じは、ネパールやタイで泊まった安宿、ゲストハウスそのものとなる。 うーん、残念ながら小説としては新人賞受賞作くらいのレベルだと思う。紋切り型の表現の多用、やりっぱなし感、ラストのこじつけ的さわやかさ。どうせ角田さん読むなら最近の作品を読んだほうがいいよ。まあ書き手として興味がある人は見てみてください。 |