ラジオ デイズ /鈴木清剛
(河出書房新社 /1998年発行)
二つ前にレビューした「ロックンロールミシン」の作者のデビュー作。これで文藝賞受賞だそうだ。
…ゆ、ゆるい…!!!!し、しろうとくさい…!!!なんてこった!逆に考えると、よくぞここからあの「ロックンロールミシン」の完成度まで育てたなあ河出書房という感じですが。小説の形としてあまりうまくなくても、センスがいい人をスカウトして、じっくり育てるというパターンが得意なんだろうか。綿矢りささんのようなパターン、この頃から行なわれてたのねえ。恐るべし。
どのへんがゆるいかというと、会話だけで(しかもあまり意味のない、あまりセンスを感じられない会話)で、数ページ埋まってたり。人物が部分的には奇抜なんだけど、根本的には演歌的というか典型的というかあまりに物語的だったり。浅いというかね。あと、ストーリーがあちこち食い込み損なっていたり。でもまあ、ちらちらと光るものが見えてくるし、人物像が楽しそうだし、気持ち良く読めてしまう。パン工場とかよかったな。
でも、これを最初に読んでたら次を読もうとは思わなかったな。そういう意味では文藝編集者の見る目はすごいというか次作を見据えてるんだろうね。わたしがもしリアルタイムでこれを受賞作として読んでたら、ぶうぶう言ってると思います。しかしタイトルも中身をあまり言い当ててなくて微妙…。たぶん原因は、「ラジオ」と聞いて感じるイメージがこの時代と今と全然違うせいじゃないかな。タイトルは古びないものにしなきゃいけないね。
しかしアマゾンのこれ↓はあまりに言い過ぎかと…。奇跡ですか…。
出版社/著者からの内容紹介
追い払うことも仲良くすることもできない男が、オレの六畳で暮らしている……。二人の男の短い共同生活を奇跡的なまでのみずみずしさで描き、たちまちベストセラーとなった第三十四回文藝賞受賞作!
そしてカスタマーレビューでも素朴素朴つたないつたない言われてるよ…。素人に言われたくないって。
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