読書の記録

No.169 2006.7.14

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6ステイン /福井春敏

(講談社 /2004年発行)


 1998年「Twelve Y.O」で第44回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。ファンタジーやらSFやら自衛隊アクションやらの長編を書く、その道では有名なエンターテイメント作家。表紙を開いて文章が読めると思ったので借りてみた。とりあえずは短編から挑戦。

 この短編は、全て警察とは独立の国家機関、防衛庁情報局――通称市ヶ谷に関与する男女の話である。ただの主婦やサラリーマンの日常が始まったかと思ったら、次の瞬間にはバンバン鉄砲玉が飛び交う。日常から非日常への切り替わりが面白かった。主人公達もそれぞれに自分の哲学を持っていて、仕事に不審を抱きながらも人間らしくあろうとする。
 おー、面白いじゃん。わくわくするし、人間書けてるし、少しじんとして、9割方バッドエンドかと思ったらほんの少し最後に救われるような展開で短編とは思えない満足感。この人気にいった!…と思って次々読んでったんだけど、半分くらいで飽きてしまった。すんません。誰が何をしたかという動作が分かりやすい文章。読みやすいんだけど、表現が紋切り型で読みつづけていくうちに飽きちゃうのだろうなあ。んでもまあ、そこが売りではないだろうし。
 しかし、いろいろ謎なんだけども。市ヶ谷の正規職員ではなく非常時に呼び出されるAPという職業は、命の危険に晒されたり本業に影響が出たり、特殊訓練を受けていたりするくせに、月給10万程度って…!!!そんなあ!!!あと、腕利きのスリで現在は隠居している男にプロジェクトが持ちかけられ、協力してくれたら謝礼はするって、50万円って…!死にそうな目にあって50万円ですか!? なに、わたしががめついだけ?? 数十万で命はかけれませんけど…。まあ警察官の給料を元に割り出したらこんなもんでしょうかねえ。

 わくわくはらはらして、ちょっとじんとしてほっとしたい人はどうぞ。おすすめ。長編も読んでみようかな。






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