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或る阿呆の一生 /芥川龍之介 (本郷出版社 /昭和58年発行) 晩年の芥川の作品を集めた短編集。自分の体験をもとに書いた小説や、江戸時代を舞台にした「お話風」のものなど。一歩一歩落ち着いて歩いていくような堅実な文章だと思う。でもイメージは突然飛躍する。飛躍した世界へ確実に一緒に連れていてくれる作家だと思う。自分に厳しく人に優しい、そんなイメージの作品だったなあ。 服毒自殺をする前に書かれた「歯車」「或る阿呆の一生」「或旧友へ送る手記」には、自殺への思いや神経症の様子などが克明に書かれていて、身を切られるようなぞっとするような思いがした。 収録作品「春の夜」「お富の貞操」「三右衛門の罪」「南京の基督」「舞踏会」「鼠小僧次郎吉」「魔術」「妖婆」「歯車」「或阿呆の一生」「或旧友へ送る手記」。本郷出版社って一体どこ!? 恐るべし図書館。芥川の作品は青空文庫でも読める。 |