平成マシンガンズ /三並夏
(河出書房新社 /2005年発行)
第42回文藝賞を史上最年少15才で受賞してデビュー、ということで話題の子。文藝本誌の審査員の評もべた褒めだし、受賞作が載っている次の号のインタビューでもなかなか骨のあるいいこと言ってるじゃない!と思い、読んでみた。
主人公は女子中学生。母親は家から出ていってしまい、代わりに愛人が出入りする。唯一の居場所と言ってよかった学校も、今度は自分が村八分(?)のターゲットにされてしまい、居場所がなくなる。夢を見る。夢には死神と呼んでいる男が出てきてマシンガンをくれる。主人公はそのマシンガンでいろんな人を打ちまくる。
夢のアイデアは面白いけど、他はいかにも中学生ですという感じで、中学生が書いてるんだから許してあげようという目で見ないと読めない。大人も子供も典型的。親子という形も紋切り型。もちろん、中学生にしてはうまいけど。感性も鋭い…んだろうか? 舞城を読んだ反動か、弱い主人公なのにはとても好感が持てたけど。
中学生が読んだら、ああもうこんなことくらいわたしだって考えてるよ!ちょっと文章にする能力がなかっただけだ!と悶えそう。まあこれを完成した小説にできるかどうかは大違いだし、それが彼女の才能なんだけど、そういう技術自体は、たくさん書いていけば身につけることができると思う。初めて書いたにしてはすごいけど、別に初めて書いたものを商品にする必然性がないというか。初めてならではの勢いやかけがえのない価値があるかというと、疑問。
わざわざ商品化しなくてもいいじゃないのかなあという印象。文芸コンクールじゃなら分かるけど。作家デビューの賞としては、ちょっとなあ。他の雑誌でプロとして依頼が来るんだろうか。やっていけるんだろうか…。あと三作くらい書いて落ちて受賞したら、いい作家になりそうなのになあ。それとも文藝はこれを育てる自信があるんだろうか。などと余計な心配をしてしまう、が、まあ最年少受賞ということで話題もできたし、普通に高校生をやりつつ小説書いたりして、また違うものを書くようになったりするんだろう。別に依頼が来なくてもどうってことないだろうしね。高校生だし。
中学生の感性で完成度がある程度高いものが出来たということで、面白くは読めました。この作品ではなんとも言えないので、次の作品を待って評価を決めたい作家。(って偉そうなわたし!)
タイトルと装丁、かっこいい。
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