読書の記録

No.155 2006.5.6

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阿修羅ガール /舞城王太郎

(新潮社 /2003年発行)


 好きでもないクラスメイト佐野とうっかりエッチしてしまった翌日、クラスの女子にアイコは囲まれて責められるが、どうやら佐野が行方不明になったらしい。身の危険を感じたアイコは、美人で一番恐いマキを殴ってやっつけているところを、密かに恋心を抱いていた陽治に(やられていると勘違いされて)助けられる。
 まああらすじ書くの難しいけど。こんな感じ。このあといろんな話がばらばらと降りかかってくるんだけども。

 勢いのある女の子語り口調。スピード感ある展開。一気に読めた。心の闇の世界とも言える世界が描写されていたり、あの世と思われる世界が出てきたり、凝った構成にはなっているのだが、なんかいろいろがやりっぱなしで不満。暴力シーンはただの趣味としか思えないし、人がたくさん死ぬこととストーリーが絡んでないし、絡んでないこと自体に意味があるのかと思えば、殺人者を探すような謎ときの場面もあって中途半端。あと、この作者の話はいつも思うのだが、主人公が強すぎる。強すぎる主人公が、内面の葛藤を綴ったところで、興味が湧かない。読んでいるときは面白かったけど、読み終わったあとの満足感はかなり小さかった。好きな人は好きなんだろう。
 三つ子殺人して阿修羅像を作ろうとしたという変態犯が出てきて、その阿修羅を作ろうとしたということに意味をもたせようとしているがイマイチ失敗していると思う。この本自体もいくつかの世界を貼り付けて阿修羅を作ろうとしていて、できてしまったいびつな小説と読めば興味深い…かな。

 この作品で三島由紀夫賞受賞かあ。そうかあ。三島由紀夫賞ってのは何がしたいんだろう。うーん。



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