読書の記録

No.153 2006.4.26

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家守綺譚 /梨木香歩

(新潮社 /2004年発行)


 以前「からくりからくさ」読んで惚れた作家さん。落ち着いた川上弘美といった感じかなあ。いや、もちろん大先輩なんだけども。梨木さんの方が。すごく安心して読めるし、静かで少し不思議な世界が妙に落ち着く。古いなじみの家に帰ったようなそんな世界観。

 この作品は、ある古い家を家守をする代わりにただで住ませてもらうことになった作家の主人公をめぐる、少しだけ不思議な世界の話。全ての話に植物が出てきて、その植物の使い方がうまい。匂い立つような、色まで鮮やかに見えるような、そんな物語。知らない植物がたくさんあって、読みながら一つ一つネットで調べてしまった。ネットで出てきた画像を見て、また世界に戻ると一味違って楽しめる。

 主人公に恋するさるすべり、河童、人を化かす狸、掛け軸から現れる死んだ友人の高堂。主人公ののんびりしていて優しい様子もとても好ましい。面白かったなあ、この本。一つずつ大切に読んでもらいたい一冊です。おすすめ。プレゼントとかにもいいかもね。

 あ、2005年本屋大賞ノミネート作品だって。へえ。「博士の数式」も本屋大賞だってことをふまえると、本屋さんってしっとりしたのがお好みなのかなあ。文学の香りはするけどテーマはさほど重くはない。古きよき日本の文学みたいな感じ。



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