脳病院へまいります。 /若合春侑
(文藝春秋 /平成11年発行)
「わかいすう」と読みます。表題作は、第86回文学界新人賞受賞作品。うわわ。めっちゃ面白かったんですけれども! 旧漢字を使った古風な文章。でもそれが見せ掛けだけじゃなく、作品の雰囲気出してて。手紙形式なんだけど、世界がとても膨らんで、女というものがすんごいしっかり書けていたと思う。谷崎が好きらしい。そんな感じだ。あと、少々エログロあり。
うえー。これが新人賞かよ。文学界ハードルたっけえ!!!
収録されてるもう一つの作品「カタカナ三十九字の遺書」もすごくよかった。ストーリーも、人間も。老婆を主人公にして魅力的に垢抜けた物語を作るのは、相当の手腕なんじゃないかな。どこに向かうのか分からないストーリー。書き込まれた類型的じゃない人間。あとこの黴くさい感じの時代がいいね。うっとりできる。
この人、3回芥川賞候補になってるのに、まだ取ってない。ええ、どういうことよ。この単行本に収録されてる2作品とも候補になってるけど、それらをしのいで受賞したのは、藤沢周、花村萬月、平野啓一郎。うーん。他の時期だったら、彼女が絶対とっただろうに。てか、この人たちを越して取ってもおかしくないと私は思うのに。ていうか、ほんとに言ってしまうと、平野啓一郎より絶対この人だと思うのに。。
芥川賞なんて、宝くじみたいなもんだなとわたしは思いました。取っても取れなくても、こんなものに文学人生左右されてはいけないと思いました。
ほかの作品もぜひ読みたい。
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