読書の記録

No.141 2006.1.20

←back 


ドードー鳥の飼育 /薄井ゆうじ

(集英社 /1998年発行)


 薄井ゆうじの小説が好きで高校生の頃は読み漁ってた。最近は日本の作家から離れていたので、ひさびさに読んだ。少しだけ不思議で軽やかな世界観。のびのびとしたユーモラスな人物たち。魅力的で好感度の高いストーリー。これらの魅力がしっかりつまった作品だった。とても面白かった。

 絶滅したドードー鳥を飼育する名誉ある係に選ばれる「ドードー鳥の飼育」に代表されるように、ナンセンスでどこかおかしい設定の短編が9編収録されている。絶滅したドードー鳥を飼育するために、空のケージを掃除し管理し続ける主人公の話「ドードー鳥の飼育」、猪熊龍雄と名乗るフラミンゴの就職の世話をすることになる「東京フラミンゴ」、地下道の打ち捨てられたコインロッカーの中にいた箱女になつかれてしまう「箱女システム」など。発想が全部面白かった。そして、設定のナンセンスさだけで終わらない。ユーモラスな会話や、遠くに心が広がって行くようなどこかもの寂しい余韻。突拍子もない話なんだけど、だからこそよりリアルに切実に現実を風刺し、現しているような気がした。



from amazon

 ←back    menu