熊の場所 /舞城王太郎
(講談社 /2002年発行)
ちまたでよく名前を聞く舞城さんです。読んでみました。
話し言葉で綴られた文章は、アクセルブレーキ急回転な具合に変化に富んだスピード感が楽しめる。この本には3作品が収録されているが、どれもどこか病んだ人間とその病みっぷりに親和性のある主人公が登場する。病んだ人間の書き方は面白いが、主人公は決して侵害されない。彼/彼女は闇に侵されないヒーロー/ヒロインなのである。そこが不満。面白いんだけど、メッセージ性も文章も雰囲気作りも面白いんだけど、若くて浅い。少年漫画のようだと思った。
面白いんだけどなあ。そりゃ少年漫画は面白いよね。でも、闇に侵された方を主人公に書いたらもっと面白いのに。完璧な主人公ってのは、気持いいんだけど時にはその自信たっぷりさが鼻についたりする。
猫を殺し尻尾を切り取って瓶に詰める同級生と仲良くなる「熊の場所」、弱いくせにバッドを振り回して喧嘩をふっかけてはぼろぼろにされて息も絶え絶えになる浮浪者を見守る主人公「バッド男」、フェラチオ一万本ノックを達成したら真人間になると誓った恋人が奇妙な死体となって発見され、その謎を解くために奔走する「ピコ−ン!」。の、三作。
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