読書の記録

No.107 2005.6.4

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愛がなんだ /角田光代

(メディアファクトリー /2003年発行)


 前々から角田光代さんの(やっぱりなぜかさん付けだ)本のタイトルはいいなあって思ってたんだけど、この「愛がなんだ」は、読み終わってタイトルのすごさにびっくりした。やばい、やられた。この話の主人公は恋した相手に尽す尽す。むくわれなくても相手の好きな人が出来ても尽さずにはいられない。相手に迷惑がられないように細心の注意を払いながら。そんな主人公は見ていて「ぞっとするほど馬鹿」なのです。しかも女友達に小説の中でそう言われるんだけど。この「ぞっとする」ってとこが重要で、本当に読んでてぞっとする。胃の奥がざわざわしてやりきれなくて、でも主人公から目が話せなくて、読み終わると愛がなんだという気分なる。結果、その角田さんの手腕にも「ぞっとする」。ぎゃあ。。(両手あげて降参!)(全然レビューになってない!)

 2冊読んで思ったけれど、この作者の「ノリ」はレディースコミックだと思う。個々の描写や文章は特に目を見張るものはないんだけど、人物とか主人公のキャラクターにはっとさせられるし、彼らがどう動くのか予想もつかない楽しみがある。会話もとても自然に読めて思わず吹き出したりするけれど、これもレディコミ風なのだなと気付いた。まあだからどうってわけではないけど。もちろん小説ならではの、じっとりとした念みたいなのを感じさせてくれるし、漫画みたいでも面白いからいいですよ。うまいしね。


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