読書の記録

No.101 2005.5.21

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お前は世界の王様か! /原田宗典

(メディアファクトリー /2000年発行)


 原田宗典の書いた小説もエッセイも大好きで、高校生のときは随分読み漁った。久しぶりに手に取った原田宗典のエッセイ。にやにやしながら、ときどき吹き出しながら一気に読んでしまった。
 現在40歳になった著者が、20歳のときに書いたやたらと偉そうな読書カードをネタに、お前は世界の王様か!と突っ込みをいれつつ様々な作家を紹介するエッセイ。作者の自己つっこみは読んでいて爆笑もの。だが20歳の原田宗典もやっぱり鋭い。感心してしまった。今の原田宗典を形成した作家たちを読み解くことが出来る。本大好きのわたしには堪らない一冊だった。
 しかし何でこの人のエッセイはこんなに笑えるのだろう。

(抜粋)  まず、どの恥から晒すべきか、二十歳の時に書いた大量の読書カードを一枚一枚睨みつけて考えたのだが、なかなか決められない。どれもこれも日本を代表するような大作家に対して、オソレオーイ発言ばかり述べているものだから、今のぼくは怯えちゃったのである。日本どころか、中にはジョイスとかモーパッサンとか、世界を代表するような文豪に対してまで、イチャモンをつけているカードもある。まったくモー、こいつは何ちゅう恥知らずの世間知らずの怖いもの知らずなのだッ、責任者出てこーい、と言いたいところだが、考えてみれば(考えてみなくてもだな)責任者はぼくなのであった。いつもそうなのだが、今のぼくにとって、二十歳のぼくという存在は、どうもある種の他人のように思えてしょうがない。読書カード一枚とってみても、その恐れを知らぬ大胆な発言と奢りたかぶった態度! こんな何の意味もなくエラソーな若者がぼくだったなんて、にわかには信じられない。ま、信じたくないだけなのかも知れないが。


from amazon 文庫版。表紙は若き日の著者。


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